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体幹トレーニングがイチローも所属したマリナーズに!

2014年06月06日

つい大リーグの施設にやってきました!

ついに大リーグの施設にやってきました!

本日は非常に興奮しています。時差ぼけも吹っ飛んでしまったくらいに、びっくり仰天ですので、楽しみに読んでください。

朝の9時からマリナーズのキャンプ地でもあり、ルーキリーグの本拠地でもある
アリゾナ州・州都フェニックスの近郊都市、
Peoriaの施設を訪れました。

シーズン前のキャンプ地としてトップチームもここを使用しています。
さらにシーズン中は、MLB(大リーグ)では、ケガをすれば即DL入りしてマイナー行き。
こういう施設でケアや治療、体力回復しメジャー復帰を目指すのです。
さらにリハビリとかコンディショニングにも使用しますし、
発達中の若手選手もここで体力増強を計ります。
ですので、こういうマイナーの施設は非常に重要なのです。

ここに現在、日本人の一原克祐ATCが働いており、
ATCのリハビリコーディネーターも含めて、
コアコンディショニングを紹介してほしいということで、
4本のストレッチポールとひめトレを持参し、訪れました。

名前:一原克裕 (イチハラカツヒロ)
職場:シアトルマリナーズ傘下マイナーリーグアスレティックトレーナー
主な資格・経歴(簡単に):NATA-ATC, NASM-PES,CES
早稲田大学卒、Bridgewater State University修士。
細かい経歴はこちらを見て頂ければと思います。
http://ssij.weebly.com/contact.html

一原克裕ATC(シアトルマリナーズ マイナーリーグアスレティックトレーナー) インターンATC Ben Fraster (アシスタント アスレチックトレーニングコーディネーター ) Jim Southard (アスレチックトレーニング コーディネーター)

左から 一原克裕ATC(シアトルマリナーズ マイナーリーグアスレティックトレーナー)
インターンATC
Ben Fraster (アシスタント アスレチックトレーニング コーディネーター )
Jim Southard (アスレチックトレーニング コーディネーター) 石塚

まず、本日は10時半からホームゲームだったので、
トレーナーズルームではリハビリ組が入れ替わりでトリートメントやリハビリを受けていました。
選手のケアが終わってからならば時間をいただけるということで、
試合は観ずにずーっとトレーナーズルームでいつ話ができるかとタイミングを伺っていました。

リハビリ組のほとんどの選手の指導が終わり、落ち着いたトレーナーズルームでコアコンディショニングを紹介させてもらいました。

持参したパンフを読んでもらいながら、早速、事前モニタリングからスタート。

そして、ベーシックセブンを行ない、事後のモニタリング!
”Oh, it is like lying on a sofa!” (ソファーの上に寝ているみたいだな)
“Feels a lot better”(とても良い心地だ……)
心の中でガッツポーズでした。

彼らはリハビリプログラムの中で、発育発達理論(人間の成長過程の動きを重視する理論)と
姿勢をよくするためのシステムを採用しており、
コアコンディショニングも同じコンセプトであることと、指導の方法が簡単で誰にも行え、
受ける方にもなんらかの効果が発現すること、効果的であることに非常に納得していただけました。

リハビリコーディネーターのJimは、「全選手のプログラムをまた書き直す仕事が増えた」と非常に喜んでいました。
つまりMLBチームで取り入れられる契機になるのです。
彼らの手元にポールが届くように手配を致しました。

さて、私は一原ATCにインタビューを行いました。

Q.現在、どのようなチーム(施設)でどんな選手を指導していますか?

A. MLBシアトルマリナーズ傘下のルーキーチーム担当アスレティックトレーナーとしてアリゾナを
本拠地として働いております。
ここアリゾナの施設はスプリングトレーニング時に球団全ての選手が
集まって一年を始める場所であり、リハビリを行う施設にもなっています。
そのため、アスレティックトレーニングルームやパフォーマンスセンターはとても充実しています。
私はルーキーチーム担当ということで、16歳から20代前半の若い選手達をサポートしています。

Q.リハビリやコンディショニング指導において最も大切にしていることは何でしょうか。
A. 選手自身に身体の変化を感じ取る力を高めてもらうことでしょうか。
エクササイズやトリートメントを行う中で、その前後での変化を実感することができれば、
選手達は自発的に自分の身体と向かい合う時間を取りたいと思うようになります。
野球という競技はいかに怪我に繋がる要因を早い段階で排除できるかが勝負になってきます。
シーズン中は毎日練習、試合を繰り返して行く中で、昨日と今日では同じ状態で必ずしも
いられるわけではありません。選手は自分で日々身体をモニターし、いい状態へと持って
行くための術をもつべきですし、私たちアスレティックトレーナーはその手助けをする
存在だと思っています。そのために選手一人一人とコミュニケーションを取り、個々の
性格といった特徴も踏まえ、身体の使い方など全体を見てアプローチするようにしています。

Q.一原さんはコアをどのようにとらえていますか。また野球選手の指導には
コアはどのような関連をもちますか。
A. 四肢を効率よく動かすには、まずコアと言われる身体の体幹部分が適切な位置で安定する必要があります。
胸郭と骨盤帯の適切な位置を確保することで、それが肩甲骨や横隔膜の動きにも繋がり、
呼吸と共に体幹の安定性を高めます。
野球選手においてはこの適切な位置が確保されないことで、肘、肩、腰などの怪我や障害、
パフォーマンスの低下に大きく影響します。
投げる、打つといった回旋動作を繰り返し行う野球の特性上、
コアの使い方次第で結果は大きく変わってくると実感しています。

Q.一原さんから日本の子供たちやスポーツ選手に向けて伝えたいメッセージをお願いします。
A. スポーツを安全に楽しく続けていくためには、身体を使うだけ使ってそのままではすぐに故障してしまいます。
ウォーミングアップ、クールダウン、栄養摂取、睡眠などなどコンディショニングを整え
維持するための取り組みを疎かにせず、ストレッチポールなどのセルフケアのツールを使って、
例えばリラクゼーションを目的に身体と心をリセットする時間もぜひ作って見てください。
怪我が起きてからどうしよう、ではなく起こさないために何ができるか。
それが長く安全にスポーツを楽しむコツです。そこができて初めてトレーニングが生きてくるのですから。
(インタビューここまで)

トレーニング先進国アメリカでも、やはりコアコンディショニングというコンセプトと
メソッドはトレーナーが求めているものです。
人の本来の状態をとりもどす。この方法はまだアメリカでも確立されていません。
この教育システムをきっちりと作り上げていく必要がありそうです。

ATCの方はみんな同じ想いがある方ばかりで、とても協力的な方ばかりです。
ずーっと時差ぼけ状態が続いていますが、どんどん輪が広がっていきます。
今日の感動体験をさらに続けるべく米国行脚は続きます。
次回のレポートをお楽しみに!

※写真に登場する黒いストレッチポール(R)は、米国向け商品であり、日本国内ではお買い求めいただけません。何とぞご了承ください。

CIMG1189

今日の日をきっかけにMLBにもコアコンディショニングが導入される………。そんな大きな一歩を踏み出した感じがしました!

石塚利光(NATA-ATC/JCCA-MT/JATI-AATI)

コアコンディショニングリサーチディレクター 石塚利光(NATA-ATC/JCCA-MT/JATI-AATI)

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