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体幹トレーニングはカラダだけではない?佐藤琢磨選手をサポートする小松武史先生に聞く
2014年05月28日
こんにちは、コアコンディショニングリサーチディレクター石塚です!
私は昨日、レンタカーをゲット!
カーナビもつけてもらい、後部座席にストレッチポールを積んで
ロスの街を走りました。
向かう先は、岩﨑さんから紹介いただいた、小松武史先生のところです。
小松先生は鍼灸師で初めてATCになられ東洋医学博士号も取得し、アメリカでご活躍。
現在はカリフォルニア州立大学ロングビーチ校に併設されるカリフォルニアスポーツ医学センターと、
ご自身のスポーツ鍼灸のクリニックで治療にあたっておられます。
昨日は、初対面にも関わらず、お会いして早々に私の疲れを気遣ってくださり、
治療をほんの3分ほどやっていただきました。
少し触っただけの診察。顔を触られていると思ったら、全く痛くないハリを眉のところに…。
治療をしながら、「スポーツ選手をみるときは、メンタル(精神・心・気持ち)への
アプローチが必要なんだよね」とおっしゃいます。
2分ほど針をそのままの状態にしていただけで、首から肩の後ろの圧痛が消えてしまいました。
私はとてもリラックスした気持ちになり、心地よさを感じました。
筋肉のハリだけでなく、心の緊張も解放するハリ治療。
さすがのゴッドハンドとお見受けしました。
その後、小松先生の来歴や、現在の活動などについても
いろいろとお話しをお伺いさせていただきました。
小松先生はアスレティックトレーナーとして
自ら現場にでることはほとんどなく、もっぱら若いお弟子さんに任せています。
小松さんは選手に来てもらい、クリニックでの治療や個別指導を中心にされています。
また日本の鍼灸の専門学校から学生を受け入れ、
スポーツ鍼灸師やトレーナーの育成にも勢力的に関わられています。
そんな小松先生にインタビューしてみました。
Q. 現在、どのようなチーム(施設)でどんな選手を指導していますか?
A. 主にアスリートの治療に特化しながらクリニックでプロ、
オリンピックレベル、学生アスリートから
レクレーションレベルの一般の人達まで幅広く治療、指導しています。
Q. 選手のケア・治療・指導において最も大切にしていることは何でしょうか。
事例などもあれば、教えてください。
A. 治療では腰痛や肩、首の痛みなどの筋肉系疾患はそんなに難しくはありません。
今、メンタルへのトリートメントに一番力を入れています。
これは世界でもまだやってる人が少ないですね。
能力があっても緊張や睡眠不足(時差ボケ)、落ち込み、興奮過多、焦りや焦燥、
プレッシャーなどのストレスをレース、ゲーム前に取り除くことで
パフォーマンスの向上に努めています。
もちろん一般の人も同じです。例えば石塚さんがさっきクリニックに来た時、
時差ボケや長旅の疲労、諸々あったと思います。
しかし、ストレスをクリーンアップしただけで首肩周りの筋肉のコリが
スッキリ取れて嫌な張りがなくなったでしょう。
誰しも同じで、メンタルはフィジカルと密接に繋がっており、かなり大事なのです。
そこにアプローチできる自分の仕事(東洋医学とスポーツ医学)に
今生きがいを感じています!
Q. 小松先生はコアをどのようにとらえていますか。また選手やクライアントの
ケアにどのような関連をもちますか。
A. 昨年、琢磨(佐藤・インディカーレーサー)にはシーズンの初めにコアの基本的な指導をしました。
時速380キロで狭いレースカーの中、そこに2、3時間入りっぱなしで動けない、
抜きつ抜かれつの緊張下、
一瞬の判断と動き(ハンドルコントロール)が必要とされます。
全て、肉体と精神のコアがしっかりしていないと四肢への力の伝達がうまくいきません。
これは例ですが、あらゆるスポーツでコアの重要性を認識しています。
Q. 小松先生から日本の子供たちやスポーツ選手に向けて伝いえたいメッセージをお願いします。
A. 先のオリンピックでもメダル確実と言われた選手でうまくパフォーマンスが
出来なかった人が多くいました。
それがスポーツというものです。今日本ではコアトレーニングが一般にも浸透してきています。
殆どの人がコアのトレーニングを想像していますが
頭の中に入っている脳はメンタルをコントロールする体幹のコアと言えます。
スポーツ障害やオーバーユースなどのフィジカルな面と緊張や興奮、
そしてストレスやプレッシャーを司るメンタルな面、両方をしっかり理解し、
トレーニングして怪我なく、楽しくスポーツを続けてください。
今回、小松先生にお会いして、ほんとうに楽しいひとときが過ごせました。
お忙しい中、お会いいただけまして大変感謝しております。
東洋のメソッドが、アメリカで好評を博している現実。
コアコンディショニングとストレッチポールもそのように
ロスから世界に発信されていくようにならないか、と強く願いました。
私、石塚のアメリカ行脚はまだまだ続きます。次回のレポートを楽しみにお待ちください。
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