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体幹トレーニングの可能性。「ケガする前より強くする!」サムヒューストン州立大学小泉トレーナーにインタビュー

2014年08月19日

コアコンディショニングリサーチディレクター石塚です。日本の学校もまだ夏休みでしょうか?
アメリカの大学の夏休みは長いですね。2ヶ月はあります。
先日、NATAシンポジウムで渡米した際に、夏休みに入ったばかりのサムヒューストン州立大学のアスレティックトレーニング室を訪れてきました。

ここでは私の留学時代からの知人、小泉千恵さんがアシスタント・アスレティックトレーナーとして働いています。
小泉アスレティックトレーナーは男子バスケ(遠征あり)と女子テニス(遠征なし)を担当し、
それ以外にも必要に応じて他のスポーツ選手のアスレティックリハビリテーションを行ったり、試合の帯同もしています。。

フットボール選手のトレーニング後に、アスレティックトレーナーとストレングスコーチにコアコンディショニング(ベーシックセブン)の体験を行ってもらいました。

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真ん中が小泉千恵アスレティックトレーナー(ATC)

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ランニング中の選手の状態をチェックする小泉千恵ATC

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選手がいなくなった後のアスレティックトレーナー室にてベーシックセブン

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ヘッドストレングスコーチにも体験したいということで、セッション開始

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小泉ATCにはペルコンまでみっちり体験。

骨盤アライメントへのアプローチもできることに納得の様子。

その後、小泉アスレティックトレーナーにお話を聞いています。

【プロフィール】

名前: 小泉 千恵
職場: サムヒューストン州立大学
主な資格・経歴(簡単に): NATA-ATC, NASM-CES, CPR
2009年、ネブラスカ大学オマハ校 アスレティックトレーニング科終了
学生アスレティックトレーナー (フットボール、女子バスケ、野球、男子サッカー、高校)
2012年、サムヒューストン州立大学大学院 修士課程終了
大学院助手アスレティックトレーナー (フットボール、陸上、ソフトボール)
2012-現在、サムヒューストン州立大学 スタッフ アスレティックトレーナー (男子バスケットボール、女子テニス、フットボール)

Q1.選手のリハビリやコンディショニング指導において最も大切にしていることは何でしょうか。
A1. 選手に教育をすることです。これによってある程度はケガを予防することもまたパフォーマンスをあげることもできると思うので、自分で自分の体を知り自分でケアできるようにさせるのがゴールです。

Q2.それは、我々のコアコンディショニングの基本的な考え方と一致していますね。では、コアをどのようにとらえていますか。また選手にコアはどのようなに伝えていますか。
A2. コアの筋肉を直接怪我するというのはあまり事例がないと思うんですが、選手にとってコアが弱い、またはコアとそれ以外の(腕や脚の)筋肉の不均等ゆえに起こるコア以外の部位の怪我はとても多いと思います。つまり、怪我をした部位以外のコアのリハビリの重要性を伝えて実施しています。

Q3.日本ではアスレティックトレーナーが確立されていないので、アスレティックトレーナーの恩恵を受けられる選手が多くはありません。日本の子供たちやスポーツ選手に向けて伝えたいメッセージをお願いします
A3. 受身にならずに自発的になるといいと思います。
もちろん、アスレティックトレーナーというスポーツ医学の知識がある人(スポーツ選手に特化したリハビリのできる人)にケア・指導してもらうことに越したことはありません。しかし、いろんな情報が簡単に手に入れられる世の中になっているので、それをもっと活用すべきだと思います。
もちろん、誤った情報もたくさんあるので、専門家に相談するなり、ちゃんとした科学的な根拠に基づいた情報を選ぶというのは大前提ですが、自分なりに自分の体を知ること、そしてケアすることはできると思います。

私自身、中学・高校とバスケットボールをやっていて、手術するほどの大きなケガは幸いにもありませんでしたが、指の骨折、何度も足首の捻挫、オスグッド・シュラッター病などを経験し、そのたびに地元の接骨院や形成外科に行きました。
接骨院に行っても、ほとんどリハビリすることはなく、電気治療と超音波の治療を受けるくらいで、あとはよくなるまで部活を休むくらいでした。
当然、練習前に足首のテーピングなんてしてくれる人はいませんでしたから、質の悪い足首サポートを使っていました。その当時、それが当たり前だと思っていたし、それが一番だと信じて、自分で自分の体を知ろうとすらしていませんでした。周りをみてもそれが普通でした。

だからケガをしたことがさまざまな原因となって、そのまま部活をやめてしまった友達も何人かいました。ケガの治療の為に病院にいって部活に来ても見てるだけなんていう毎日、そしてケガが治ったはいいけど、休んでいた分、体力も落ちて戻ってもまったく練習についていけずということがほとんどでそのままやめてしまうという結果。
こういった場合、私たちアスレティックトレーナーは医者、コーチとコミュニケーションを取り、選手とともに今後の計画を話し合い、部活動をしている間に、リハビリ、トリートメントそして、ケガをしていない部位を使って体力を維持させるためのトレーニングを行い、戻るときには120%(怪我をする以前よりもいいコンディションに!)にというのを目標にケガをした選手を心身ともに健康になるように支えます。

4. アメリカの大学のアスレティックトレーナーとしてのやりがいは?

アメリカは日本ほど、年上の人を敬う文化と敬語というものがありません。そしてうちの学校は小さいながらもNCAA(全米大学体育協会)でデビジョン1(D1:大学1部)に属するので、選手のほとんどがチームからスカラーシップ(奨学金)を得て競技をしています。
デビジョン1の学校は全米でたくさんありますが、こういう学校でスポーツできる選手は高校でスポーツをしている学生のほんの一握りで、高校ではいわゆる「スタープレーヤー」という子がほとんどです。

だから毎年のように夏、フットボール部に沢山新入生がやってきますが、何人かは本当に生意気(笑)で私たちアスレチックトレーナーに対して上から目線で話してくるような選手もいます。
ところが1ヶ月くらいするとそういう選手の態度がよくなっていることをよく見ます。今まで見たことないような才能あふれるチームメートがごろごろいる中で、初めて親元を離れて大学の寮に住み、厳しい2部練習を乗り越えて、チームの一員という自分を認識して、上級生の普段の態度などを見ていろんなことを学んでいくんだろうなあと思います。そういう若い選手たちの成長が見られるのも楽しいですね。

石塚利光(NATA-ATC/JCCA-MT/JATI-AATI)

コアコンディショニングリサーチディレクター 石塚利光(NATA-ATC/JCCA-MT/JATI-AATI)

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