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体幹トレーニングで最高のパフォーマンス。シルクドソレイユ”O”で輝く北尾佳奈子さん。

2014年05月16日

アテネ五輪シンクロナイズドスイミング団体競技・銀メダリストで、現在、
シルクドソレイユ”O”のパフォーマー、北尾佳奈子さんが、
このほどつかの間の休暇を利用して、日本に里帰り。
貴重な時間を割いて、わざわざ東京・青山のJCCA事務所へ遊びに来てくれました。
それも大変なお土産を持って…。
(インタビュアー:吉武永賀)※ページ最下部でダイジェスト動画をご覧いただけます

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まだ桜の名残が残る暖かい春の一日。北尾さんがお土産として持って来てくれたのは、
シルクドソレイユ”O”のパフォーマーのサインが寄せ書きのように所狭しと書かれたポスターでした。
皆さんに浸透して来たコアコンディショニングの力と、
それにもましてコアコンを普及伝播する北尾さんの慕われているお人柄が感じられました。

1

吉武「ようこそ、日本へ(笑)」
北尾「いえいえ、お迎えいただきありがとうございます(笑)」
吉武「素敵なOのサインポスターをいただきありがとうございます。
あんなに大勢のパフォーマーがいるんですね」
北尾「はい、今70〜80人います。ショーの中では一人何役もしているので、
もっと人数が多いように見えるのですが、実際はそれくらいです。」
吉武「我々が伺ったとき、佳奈子さんがバックステージでストレッチポールを持って来てくれた姿が、
ものすごく印象的で…。本当に戦友を私たちに紹介してくれたような、そんな感じがしました。
今まではどんな風に使用されていましたか」
北尾「特に「リリース」(リセット、リラクゼーション)重視で、
筋肉のコリの解放…、あとは疲労回復とかでしょうか。」
吉武「疲れを取るために使っていらっしゃる…」
北尾「はい、そうです。どのスポーツもそうだと思うんですけど、私たちのパフォーマンスも
左右対称の動きじゃないんで、片方だけがこっちゃって…。それが原因で痛みが出たりするので、
痛みになる前に偏っている部分を元の位置に戻したりとか、そういう使い方をしています」
吉武「まず痛みを防ぐ、さらに故障にならないために疲れを取る、ということですね。
もう一つはパフォーマンスアップということもありますよね」
北尾「筋トレというよりも、本来カラダのあるべき場所に位置を戻すことが、
パフォーマンスアップつまりカラダの動きが良くなると感じられます」
吉武「じゃあリラクゼーションするということと、セルフのマッサージをするということですね」
北尾「ええ、まさにセルフマッサージですね、はい」
吉武「佳奈子さんが一番好きなエクササイズはどのようなものですか?」
北尾「ベーシックセブンという名前でしたでしょうか。教えていただいた、縦向きに寝て、
手を動かして…という。そして、カラダが動きたい方向に動かします。
乗っかってるとカラダが勝手に求める方に…はい(笑)」
吉武「現役時代は、凝ってるところに当てたり、自分の体重を乗せてマッサージにも使い、
まあ一番ベーシックな、リラクゼーションするというようなこともやっていたんですね」
北尾「はい。さらにコアをインゲージ(使える状態にする/活性化)させるためにも、
コリやハリを取りにいくためにも、たくさん使っていました」
吉武「不安定なポールの上でいくつかトレーニングすることで、
安定性を生み出すために使ったわけですね
北尾「はい、コアをインゲージせざるを得ない状況にもっていけるので欠かせませんでした」
吉武「水の中に近いかもしれない状況ですね。そういうトレーニングにも使っていたんですね。
それと比べて今は毎日がステージで…」
北尾「はい、毎日が本番です(笑)」

北尾さんの現地での様子をレポートしたCCJ(日本コアコンディショニング協会・会報誌)の記事を読む北尾さん。お隣は旦那様のエリックさん

北尾さんの現地での様子をレポートしたCCJ(日本コアコンディショニング協会・会報誌)の記事を読む北尾さん。お隣は旦那様のエリックさん

競技者としての現役時代は、我々の想像を絶する過酷な生活。
明確な目標や達成しなければならないミッション、
プレッシャーの連続でした。その時に出会ったコアコンディショニング。
トレーナーさんやセラピストさんのケアを待つ間に自分で出来る回復方法として取り入れられました。
大きなプレッシャーから解放された今は、競技生活ほどハードなパワーや技術が必要ではありませんが、
ショーは毎日がいわば本番です。現在は日々のコンディショニングに大いに活用されているということです。

吉武「競技人生とパフォーマー人生で、使い方の違いはありますか?」
北尾「競技者生活と異なり、今はいい状態を維持すること、いわば毎日自分でコンディションを
整えなければならないのが仕事です。自分で自分を管理しなければならない…。
選手の時はコーチであったりトレーナーさんに管理されている部分もありましたが、
でも今は自分でいい状態にもっていってパフォーマンスしないと、次の契約も生まれないので(笑)」
吉武「毎日のケアがとても大事ということですね。
遠征とかオフとか旅行など、ストレッチポールを使用できない、というようなことがありましたか?」
北尾「そうですね。旅行先まで持っていきたいんですけども持っていけないので、ボールを代用したりして」
吉武「他のパフォーマーの方々は控え室でどんな使い方をなさっているんですか?」
北尾「私と同じような感じですね。みんな、私に聞いて来てくれるんですよ。ここが凝ってるんだけど、
どんな風にやったらいいの?って。だから私はこうしてこうしてって。教えていただいた通りです(笑)」
吉武「なるほど(笑)」
北尾「はい、本当にリリース重視ですね。今まではトレーナーの方が旧来のものを
使ってトレーニングしたのを、今度ストレッチポールにして
エクササイズに使っているところを最近見ますね。
取り合いになってきてるんで…ウフフフフフ、嬉しいです」
吉武「我々も嬉しいです。僕らはコアコンディショニングを本当に世の中に普及したいと思っています。
その過程において、一番大きいのはアスリートや何かにチャレンジしている人のセルフの
コンディショニングの様子を伝えることだと思っています。
そういうチャレンジし続ける仲間たちにメッセージを御願いしたいのですが」
北尾「わたしもその実践が重要だと思っているので、皆さんぜひがんばってもらいたいですし、
私もそのなにか力になれるならば、一緒にがんばっていきたいと思っています」
吉武「今はパフォーマーを続けながら、ピラティスを学んで、
さらにトレーナーの方向にもチャレンジされているんですよね」
北尾「そうなりたいと思って始めたわけではないのですが、みんなに私のやり方が伝わってほしいな、
と思って。リリース重視、カラダのコンディショニングを整える方向で教えてるいるんですが、
それをみんなが気に入ってくれていまして。
コンディショニングをみる先生が二、三人いるのですが、
そのセッションを受けた証にサインをもらわなければなりません。
それをわたしのところに持ってきて、サインしてほしいと言ってくる人が増えたんです(笑)。
嬉しいし、喜びになっていますね」
吉武「おぉ、なるほど」
北尾「嬉しいです。だからもっと勉強したいな、と思っています。
自分で教えるなら、ちゃんと勉強していきたいと考えるようになりました」

3

小谷実可子さんのソウルオリンピックでの演技に感動して
シンクロナイズドスイミングを始めたという北尾さん。
その当時はまだ小学校低学年でした。ジュニアアスリートとして多くのことを経験して乗り越え
オリンピック銀メダリストに、そして世界最高峰の舞台で活躍している彼女に、
ジュニア世代の過ごし方について聞きました。

吉武「ジュニアアスリートたちにむけて、ぜひメッセージを。みんなスゴく練習がんばっているんですよ。
でも、なにかパフォーマンスをしっかり発揮するためには、
トレーニングと休養と栄養のバランスがとても大事ですよね。」
北尾「そうですね」
吉武「現役時代、一番気をつけていたこと、または、今振り返って
佳奈子さんが思うことってどんなことがありますか」
北尾「ジュニア世代、つまり若い時って、疲労を感じにくいじゃないですか。それはそれでいいと思うんですよ。
どんどん自分が行けるところまでプッシュして、それで乗り越えることが
きっとたくさんあると思うんです。
だけど、その生活の中で人それぞれカラダつきも違うし、感覚もまったく違うし…。
その中で自分のカラダを知って、そこから自分には何が一番合ってるんだろう、と
自分のことを知ってほしいですね。そこが一番、次のステップにつながるキーポイントです。
コーチとか友達は、アドバイスに繋がる手助けはしてくれると思うんです。
けれども、それを見極められるのは、感覚でしか見つけられない、
ピックアップできない、と思うんです…。私もわからなかったんですよ。
きっと今、安心というか、試合で次はメダルとらなければならない、
自分のこれを克服しなければならない、
そういうプレッシャーから全部抜けて、
自分の調子をなんとか受け入れるようになった、と感じてきたんですね。
ずっと見てたはずなのにそのときには感じなかった、
今になってそれがわかって、ああ自分はここが弱くて、先生やコーチからは
これを鍛えろといわれてたけれども実は違ったんだな、と発見したりして…。
これが10年前にわかっていればとか、思うことがたくさんあったんで……。
たぶん、まじめな子ほど先生に言われるがまま、その通りにしかやらなくて、
自分のカラダは一体なにを求めているのか見えなくなっちゃってることがあるので、
先生のアドバイスを聞きつつ、それを自分の感覚と照らし合わせつつ、
トレーニングしてほしいですね」
吉武「ではジュニアの子たちは、まずは、自分と向き合って意識をすることですね」
北尾「すごく難しいと思うんですよ。私もそんなことできなかったんで…。そんな余地がなく、
スケジュールがずっとビッシリで、学校もあって…。
ふと、ずっとやってやっても言われていることができないんだろうというときに、
私が今言ったようなことを考えてくれたえら、ちょっと手助けになるんじゃないかな、と思います」
吉武「すごくいいアドバイスをいただきました、ありがとうございます。
最後にぜひ佳奈子さんからこのサイトの読者の方にメッセージを御願いします」
北尾「そうですね…。このストレッチポールが今の私を作ってくれているんですけれども、
そのおかげで今も大好きなシンクロで、素敵な舞台で泳がせてもらっています。
ぜひその演技を見ていただきたいので、ぜひラスベガスのほうへショーを見に来てください。
ありがとうございました」
吉武「こちらこそ本当にありがとうございました。今後ますますのご活躍を祈っております」

北尾さんは、この夏にカナダ・モントリオールで行なわれる世界マスターズ水泳にシンクロナイズドスイミングで出場されます。
現役を退いてもなお高みを目指す彼女の姿は私たちに勇気と感動を与えてくれます。ぜひがんばってください。応援しています。

エリックさんと一緒にコアコンディショニングのセッションを受ける北尾さん。指導は石塚利光ATC

エリックさんと一緒にコアコンディショニングのセッションを受ける北尾さん。指導は石塚利光ATC

【このインタビューの模様をダイジェストでご覧いただけます】

 

北尾佳奈子さんが体験したストレッチポールは公式ホームページをご覧ください。
スイングストレッチはこちらからご覧ください

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